著者:アレクサンダー・オシポビッチ、WSJ
翻訳者: ワン・エリュ、PANews
「トランプクジラ」と呼ばれる謎のトレーダーは、大統領選挙に関連した一連の大胆な賭けを行った結果、5000万ドル近くの利益を得ることが見込まれている。
彼はドナルド・トランプが大統領選挙に勝つと考えただけでなく、一般投票でもトランプが勝つと賭けていた――多くの政治観察者がその結果はありそうにないと考えていた。自らを「テオ」と呼ぶこのトレーダーは、トランプ氏がペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州などの「ブルーウォール」激戦州で勝利することに賭けている。
今、テオは莫大な報酬を手に入れようとしています。彼は 4 つの匿名アカウントを使用して、仮想通貨予測プラットフォーム Polymarket に賭けました。同氏は身元を明らかにすることを拒否したが、10月18日の記事が彼の賭けに注目を集めて以来、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者と連絡を取り合っている。
テオ氏は数十通の電子メールで、自分の賭けは本質的に世論調査データの正確さへの賭けであると述べた。同氏は自身を複数の銀行でトレーダーとして働いていた裕福なフランス人だと述べ、この夏から数学の知識を使って米国の世論調査を分析し始めたとウォール・ストリート・ジャーナルに語った。
同氏は世論調査がカマラ・ハリス副大統領の支持率を誇張していると考えている。ほとんどの安楽椅子型政治評論家とは異なり、彼は約束を守り、トランプ氏の勝利に3,000万ドル以上を賭けている。
火曜日の夜、選挙結果が次々に出て、テオさんはとても幸せな気分だった。同氏はフランスで選挙結果を確認するため真夜中に起きたという。
フロリダ州でのトランプ氏の好成績は、一般投票で勝利する可能性を示す良い前兆であり、「これほど幸せで、自分の賭けに自信を持ったことはありません！」と書いている。
テオ氏は投票日前に記者団に送ったプライベートメッセージの中で、トランプ氏が全国票の49％か50％を獲得し、ハリス氏を破ると予想した。同氏はまた、激戦州７州のうち６州でトランプ氏が勝利すると予想した。
水曜日午後の時点で、アナリストらは一般投票でトランプ氏が勝利すると予測しており、トランプ氏の得票数は7,200万票近く、ハリスの得票数は6,710万票となっているが、カリフォルニア州やその他の州ではまだ数百万票以上が開票されていない。賭博市場は一般投票でのトランプ氏の勝利がほぼ確実だと考えている。
賭博市場では、トランプ氏が激戦州7州すべてで勝利すると予想されていることが示されている。水曜日にはハリス氏が勝利する可能性が高いとみられていたミシガン州がトランプ氏の勝利と予想された。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、テオ氏がトランプ勝利の賭け金を組織的に購入していたポリマーケットのクジラ口座の背後にいるトレーダーだったことを認めた。ポリマーケットは、賭けの背後にいた男が豊富な取引経験と金融サービスの背景を持つフランス人であると述べ、彼の主張の一部を裏付けた。
テオ氏は大金を稼ぐために自分の金を使ってトランプ氏に賭け、「政治的な目的はまったくなかった」と語った。ウォール・ストリート・ジャーナルは、これらの主張が真実かどうかを判断できなかった。ウォール・ストリート・ジャーナルもまた、テオと政治団体やトランプ氏の同盟者との関係を排除できなかった。
テオ氏は記者たちとの電子メールやズームでの会話の中で、米国の世論調査を繰り返し批判してきた。同氏は、主流メディアが実施した世論調査を特に批判しており、同氏の見解では、これらの世論調査は民主党に偏っており、ハリス氏に有利な外れ値の世論調査を生み出す傾向があったという。
「フランスでは状況が異なり、世論調査の信頼性がより重要だ。フランスは結果ができるだけ現実に近いことを望んでいる。この点では文化が違う」と同氏は書いた。
テオ氏は、RealClearPoliticsの世論調査の平均から集計された数字の表を共有し、2020年の激戦州の世論調査でトランプ氏が上回ったことを示した。 2024年の激戦州での世論調査が僅差であることを考えると、トランプ氏が同様に好成績を収めれば、容易にリードを奪えるだろうとテオ氏は推論した。
テオ氏は、この世論調査では「内気なトランプ投票者効果」を説明できていないと述べた。テオ氏は、トランプ支持者は世論調査員に前大統領を支持していることを伝えたがらないか、あるいは世論調査に参加したくないかのどちらかだと書いている。
この問題を解決するには、世論調査機関は、近所の人がどの候補者を支持すると予想するかを回答者に尋ねる、いわゆる近隣世論調査を利用すべきだとテオ氏は考えている。この考えは、人々は自分の好みを明らかにしたくないかもしれないが、隣人が誰に投票する予定かを推測するように求められた場合には、間接的に自分の好みを明らかにするだろうということです。
テオ氏は、9月に発表された近隣投票方法と従来の投票方法を使用したいくつかの世論調査の結果を引用した。これらの世論調査では、近所の人が誰に投票するかを尋ねた回答者に、どの候補を支持するかを直接尋ねた場合よりもハリス氏の支持が数パーセントポイント低かったことが示された。
テオにとって、これは世論調査機関が再びトランプ大統領の支持を過小評価していることを証明している。このデータは、トランプ氏が一般投票で勝利するという賭けをするのに役立った。テオ氏が賭けをしたとき、ポリマーケットの賭け者らはトランプ氏が一般投票で勝つ確率は40％未満だと予想していた。
テオは選挙の夜、結果を祝いながら、賭けの成功についての分析の別の部分を明らかにした。同氏は電子メールでウォール・ストリート・ジャーナルに対し、近隣効果を測定するために大手世論調査会社に調査を依頼したと語ったが、名前は明らかにしなかった。この調査結果は「衝撃的であり、トランプにとって有利だった！」と彼は書いた。
テオ氏は、世論調査機関との合意により結果を秘密にしておく必要があると述べ、調査結果を共有することを拒否した。しかし同氏は、米国の世論調査機関は今後の調査で近隣法を使用して、さらなる恥ずかしい間違いを避ける必要があると主張した。
テオ氏は、「最新の世論調査で近隣への影響が測定されれば、世論はより明確になるだろう」と語った。
